ランチのあとは、いよいよ板門店へと向かう訳ですが、その前に板門店を警備している国連司令部警備大隊の基地(キャンプボニバス)で、ブリーフィングを受けます。 バスの中で再度パスポートチェックを受け、そして 『不測の事態の場合、生命の危険に及んでも、一切の責任は問いません。」 といった内容の誓約書にサインをしての参加です。 板門店はパスポートさえあれば気軽に来れるけれど、いつでも銃撃事件にもなりかねない所な訳ですね。(汗) ■キャンプボニバス■ ブリーフィングでは、「北朝鮮の方を指さしをしないこと」「目配せなど、疑わしい行動をしないこと」、「カメラ以外の持ち物はポケットに入れるか、バスの中においていくこと」等等・・・・ の注意事項の他、休戦協定後の板門店や両国間の歴史をスライドを使ってわかりやすく教えてくれました。 午前中に観光した第3トンネルの件といい、ここで見たスライドや聞いた話に、両国間の戦争はまだまだ終わっていない事を実感させられます。 以下、ここでの説明で知った事件です。 ★ポプラ事件 (1976年 8月18日) 休戦協定の後、はじめのうちは北朝鮮と韓国の両方で非武装地帯(DMZ)を守っていました。 北朝鮮の監視小屋が分断線より南側にもいくつかあって、それらは韓国側の監視小屋を取り囲むように建っていたようです。 敵国の包囲に危険感を覚えた韓国側が、見晴らしを良くするために監視小屋の間にあったポプラの枝を切っていたところ、「それは北朝鮮のポプラだ。勝手に手を加えてはイケナイ!!」と警告。 しかし、それを無視して伐採作業を進めていたところ、突然北朝鮮兵に韓国側(連合側)のアメリカ兵士ボニパス隊長が斧で殺されました。 この一部始終は監視カメラ(?)に収められており、その残忍な映像が生々しく残されているのでした。 この事件をきっかけに、軍事境界線より相手国側への立ち入りを禁じ、非武装地帯も北側は北朝鮮、南側は韓国という風にそれぞれの国が守ることになりました。 ★ソ連の大学生越境事件(1984年11月23日) 北朝鮮からの板門店の観光ツアーに訪れていたソ連の大学生が、突然軍事境界線を越えて韓国に侵入(亡命)しました。それを追いかけた北朝鮮側の兵士も軍事境界線を越えたため銃撃戦となり、結局ソ連の学生1人のため北朝鮮側の兵士3名、韓国側の兵士1名が亡くなくなるという事件があったようです。(この学生はその後アメリカに亡命したとか。) 確かに・・。 万一、不法入国を狙ってるゲストが一緒なら、板門店ツアーは命がけです。 ★韓国の徴兵制と板門店 韓国では20歳以上の男子に、2年間の徴兵制が課せられていますが、ここ板門店を守っているのは韓国でトップクラスの兵隊さんだそうです。(そりゃそうでしょうね。) 緊急事態に備え、いつでも出動できるよう服も(たしか防弾チョッキも靴も?)身につけたまま寝泊まりしているようです。 現在の韓国では大学に行くのが主流で、卒業すると22〜3歳。 更にアメリカやカナダなど留学する人も多く、なんだかんだで25〜26歳。 更に2年の兵役義務を果たすと27〜28・・。 社会人として自活するのはと極めて遅いのだそうです。 ペ・ヨンジュンや、イ・ビョンホも、かつては兵役の義務を受けたんだろうかと思うと、かなり違和感を感じますけど、まだ戦争が終わってないので、やはり兵役は必要なのでしょうね。 ちなみに、お隣の北朝鮮は6年っていってたような・・(ちと曖昧ですが)。 ブリーフィングのあとは、軍のバスに乗り換えて板門店へ向かいます。 カメラやお金、パスポートといった貴重品以外は一切ツアー会社のバスの中において行きます。ハンドバックやポシェットの持ち込みも禁止なので、ポケットにはいらない大きな財布はバスに置いていくことになります。 ■板門店(Joint security area=JSA; 共同警備区域)■ 板門店は北朝鮮と韓国の軍事境界線(私たちに言わせれば国境ですね)上にあって、1953年の朝鮮戦争休戦協定が結ばれた場所です。 こちらがその「軍事停戦委員会会議所」の全貌です。オレンジのラインのところに縁石があって、それより向こうが北朝鮮、こちらが韓国です。 向こう側の立派な建物は北朝鮮の建物、「板門閣」。 入り口には兵士が立っていて、双眼鏡を手に私たちの様子を伺っていました。 一方こちらは韓国側の兵士。 30度を超える暑さの中、防弾チョッキを着て微動だにせず身構えています。 この体力、精神力、集中力はやはりトップクラスの兵士ならではでしょうね。 拳を腰の高さで構えるポーズはテコンドーの姿勢って言ってました。 素早く拳銃を構えたり、身をかわしたりできる姿勢らしいですが、それにしてもマネキンのように動きません。 こちらは会議場の中。奥に見える扉の向こうは北朝鮮です。 やはり兵士が警備していますが、これまたマネキン風。思わず本物?とツツイテみたくなりますが、決して「本物かな?」とツンツンしてはイケナイそうです。大事なお仕事中ですものね。 窓の外には、軍事境界線を示す縁石がありました。 会議場の中では、窓から見える景色も含め写真撮影が可能です。でも北朝鮮の兵士もこちらの様子を監視していますので、怪しまれる行動は一切禁止です。また、会議場のテーブルにはマイクが設置されていて、会話は全て両国に聞こえるようになっていますので、悪口ととらえられる発言があると即刻クレームが来るそうです。 さて会議場の中は・・・ このテーブルを境に向こう側が北朝鮮、こちらが韓国だそうです。 となれば、ここはやはり北朝鮮側へ入っての記念撮影ですよね♪ 板門店で写真撮影が許可されているのは、会議所の中と、全貌が見渡せるこの展望台からの景色だけ。 こちらは韓国側の建物「平和の家」。まつわるエピソードや使用目的はわすれました。 でもってこちらは印象的だったDMZの光景↓。 「自由の村」が先に国旗掲揚台を作ったところ、対する北朝鮮は宣伝村に1.5倍もの大きな国旗掲揚台を作ったのです。 こうして比較すると、掲揚台の差は異様というか滑稽というか・・(苦笑)。 ちなみに、この宣伝村の国旗掲揚台は「世界一高い国旗掲揚台」としてギネスブックにも載っているそうです(笑)。
by blueskyblog
| 2009-09-16 00:30
| 2009年夏ソウル
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